メンテナンスができないコーティング
札幌もようやく道路から雪が消えて、コーティングのご依頼が多くなり
当店も毎日施工作業と沢山のお問い合わせを頂いており、しばらく休み返上で作業させて頂いています。
ありがとうございます(^^)
今回は、既にコーティングをされている方に向けてお伝えさせて頂きます。
またこれから検討されている方についても参考になれば幸いです。
今回は少しだけ長文になりますのでご承知おきください。
コーティングを施工すると、被膜が乗って光沢や艶が増して保護膜となるものや防汚性が上がったり撥水をしたりする
コーティング被膜がつくられます。
基本的に被膜は「コーティング被膜」と「撥水被膜」は別物と考えて頂いてかまいません。
多くの商品が、一回の施工で同時に形成される物や、二種類の商品施工で形成完成されるように設計されています。
ここで多くの方が、何よりも一番こだわることが「撥水」ではないでしょうか
「撥水」が消えたからコーティングが消えた?と思う方が、現実的に本当に多くいらっしゃいます。
確かに目に見えるものとして、一番明確な指標としやすいかもしれません。
しかし「撥水」を指標にしていると
「コーティング本来の目的から大きく逸脱する落とし穴」が潜んでいます。
よくあるパターンとしては強烈な撥水をしているが、もの凄く汚れた塗装面です。
ガラスコーティングでは高確率で洗車で落ちないシミだらけな塗装面を拝むことができます。
本当の目的は「撥水」ではなく「車の外装の劣化を抑制」「綺麗を維持しやすく」が適切です。
近年SNSやYOU TUBEの影響か、撥水合戦が数多く見受けられるようになりました。
DIYで撥水を楽しむのは趣味の世界ですので全く問題がありません。
しかしプロショップと呼ばれる店舗で対価として料金を支払い施工する場合は
そういうことにはなりません。
個体の現状を確認してから、ハッキリとした施工の方針と理由、具体的な施工方法
後に必須になるメンテナンスも踏まえた提案をしなければいけません。
雨の日は絶対に乗らないし、車庫保管の場合は何を施工しても問題ありません。
ただし、日常的に使用する場合は車庫保管であろうとコーティング剤は選んだ方が賢明です。
なぜなら雨に濡れたまま車庫の中で乾燥すると水垢水シミがつくリスクが上がるからです。
いづれにしても、どんなコーテイングを施工しようとも汚れは堆積していくのが現実なんです。
撥水は全くの別物になり、洗車時の拭き取りが楽になることがメリットとなります。
そこで必要なのが「メンテナンス」になります。
メンテナンスに関しては、使用するコーティング剤が持つ性質・特性によって
メンテナンスのできる範囲が決まります。
当店の大前提として、酸性ケミカルに対する耐性の有無が重要と考えて選定しています。
現在のところは軽度な汚れを除いて、酸性ケミカルを使用しないメンテンスは考えられません。
なぜなら、水垢は一番の大敵であり、水垢を落とすには酸性ケミカルで分解除去が効率的で
軽度の鉄粉も一緒に除去されるからです。
油分や砂塵はシャンプーでも一部を除き除去可能です。
※油分は排気ガスなどから排出されたエンジンオイル類の付着などが多いですね。
※鉄粉は1年に一度のケミカル除去でかまいません。何度も取らない方がメリットが高いです。
とにかく「メンテナンス」というものは何よりも水垢水シミを取るということが重要です。
副産物として水垢水シミを取ると撥水も復活します。(ものによりますが)
水垢水シミを取るということは「酸性ケミカル」を使用すること。
結論に近いですが、酸性ケミカルでダメージを受けて剥がれてしまう商品は使わない方が
良いという事になります。
ある有名なコーティング専門店のメンテナンスには、レジンを使った被膜復元や
「ミネラルオフ」という水垢水シミ落としに似たメニューがあります。
これは残念ながら水垢水シミを取るものではなく、水垢になる一歩手前のミネラル分を落とすものです。
ですから水玉になって乾燥した水シミを落とすまでの力がありません。
ですが酸性ケミカルの使用は禁止となっているため使用できないので仕方がありません。
ですから何が起きるかといいますと
汚れを落とせないままレジンなどのコーティング被膜を施工するということになります。
メンテナンスすると水垢水シミ汚れをサンドした蓄積汚れミックスコーティングが完成します。
写真は掲載できませんが、表面がボヤケてスポットライトを当てると水シミが沢山見えます。
貴方のお車は大丈夫でしょうか?
表面のコーティングの艶に騙されないように、よく目を凝らして観察してみてください。
慣れてくると、塗装から綺麗な艶光沢を出しているものと、コーティングだけが鈍い艶光沢を出しているものが
判別できるようになります。
メンテナンスは言葉以上に奥深く施工道具以外に「施工する人間の眼と」「専用照明設備」がなければ
絶対に成立しない施工です。
厳しいことを書きましたが、施工者は設備投資と努力と誠心誠意が必要です。
看板を掲げている以上、確かな技術で応えたいものです。
私も、もっともっと努力して皆さんのお力になれるよう頑張っていきますので
これからもClear Riseをよろしくお願い致します。
今回は文章ばかりですいません・・・
因みにコーティングメンテナンスには酸性ケミカルの「A〇6」は使用しません
ではまた(^^)/